松原英夫 駐ギニア日本国特命全権大使 挨拶

平成31年4月9日

在ギニア日本国大使館のホームページをご覧の皆様

 この度、駐ギニア日本国大使として1月27日に赴任した松原英夫と申します。
 着任後約2ヶ月が経過しましたが、ギニア国民の気質は情熱的で活発との印象を持っており、在任中は個人的にも、ギニアの方々との交流を深めたいと思っています。
 日本大使に任命されるに当たり、天皇陛下より「日ギニア友好関係の増進を希望する」旨の御言葉を頂戴し、3月4日の信任状奉呈の際にアルファ・コンデ大統領にお伝えしました。
 在任中、二国間関係の増進のため全力を尽くしたいと考えています。

日・ギニア外交関係及び友好関係強化

 日本はギニアが1958年に独立直後に外交関係を設立し、以降60年に渡り友好な二国間関係を維持しています。
 特に日本は経済協力を中心としてギニアの発展を支援し、他方でギニアは日本を国際機関選挙や国連の場など国際場裏で支持しており、日・ギニア関係は友好関係が維持されてきています。
 このような友好関係の中、2017年6月に初めてアルファ・コンデ大統領がギニアの元首として日本を公式訪問されました。過去60年の二国間関係の歴史の中、初めての出来事であります。
 このアルファ・コンデ大統領の訪日により、現在まさに二国間関係は絶頂にあり、そのタイミングで私が着任した訳ですから、このチャンスを逃さず、更に関係強化を図っていきたいと考えており、それが私の役割と思っております。

ギニア国民との交流

 アルファ・コンデ大統領の公式訪問に伴い、日・ギニア共同宣言が発表され、その後、技術協力協定が締結され、JICAフィールド事務所が設置されており、この機会を利用し二国間関係を更に強化したいと考えています。
 ギニアは自然豊かな国であり、農業、水産業、鉱業等の分野で大きな可能性を秘めていると感じています。在任中は首都コナクリだけでなく、国内の様々な地域を訪問して、ギニアのポテンシャリティを確認すると同時に、地方の皆様と交流を進めたいと考えています。
 また、来年2020年には東京でオリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。ギニアでは競技種目である空手や柔道が盛んであり、また陸上競技に有力な選手(マクラ・ケイタ選手など)がいるので、是非東京で活躍して頂きたいと思います。オリンピック開催を機会にギニアで日本の武道を通じた交流が深まることを期待しています。

ギニアにおける日本の開発協力

 ギニアでは「食料安全保障」、「経済インフラの整備」、「基礎的社会サービスの向上」を3本柱に協力を展開しています。昨年2月にJICAフィールド事務所が設置されましたので、開発協力が更に具体的に進展すると確信しています。特に今後、農業、漁業、教育、保健、水供給など、幅広い分野での協力が進展します。
(1)食料安全保障
 ギニアには食料自給の潜在能力(ポテンシャリティ)が高く、それを発揮するために、カポロをはじめとした漁港の整備は伝統的な支援分野です。養殖開発の日本人専門家も漁業省で活躍しています。このほか、今後はギニア米振興のための支援を行う予定です。
(2)経済インフラの整備
 インフラ整備は経済発展の基礎です。社会インフラに関しては、給水分野に大きく貢献しています。例えば、コナクリ市内の送水管の更新、水源井・公共水栓の整備や給水車の供与を実施しています。本年3月末からは、水道公社に日本人アドバイザーを派遣しています。また、経済インフラとして国道一号線のカアカ橋を建設し、国内の流通や交通改善に貢献しました。引き続き国道三号線のスンバ橋の架け替え計画を準備中です。 更に、隣国への交通輸送にも寄与するべく、国際回廊上の橋梁支援も視野に検討しています。
(3)基礎的社会サービスの向上
 基礎的社会サービスの底上げは、ギニアの発展を支える重要な要素です。現在、コナクリ市内の12の小中学校建設を行っています。また、マムーでは初等教員養成校を建設中です。更に、ドンカ病院やイニャスディーン病院及びキンディアとボケの地方病院への医療機材整備を行っており、近々引き渡し式を実施する予定です。人的資源の向上にも尽力しています。毎年約20名が日本でテーマ別研修を受講しています。日本企業へのインターンシップを含む大学留学プログラムも整備しています。

 更に、国際機関を経由した支援も実施しています。今年も、UNDPを通じた養殖開発支援やWFPを通じた食糧援助などが行われる予定です。また、UNDPを通じてキンディアPKO訓練センター整備支援を行っており、今年9月に完了予定です。ギニアはMINUSMAに部隊を派遣するなど、地域の平和と安全に貢献しており、日本はそうしたギニアの地域安定への国際貢献を高く評価し、支援していきたいと考えています。

ギニアに滞在する邦人の皆様へ

 海外における日本人の安全確保は、外務省が行っている業務の重要な柱のひとつです。また、着任前、安倍総理大臣からも直々に、在留邦人の皆様、旅行者の皆様の安全第一で臨むよう発言がありました。当館ホームページでは、様々な領事情報を掲載していますので、是非ご覧ください。任期中、皆様の安全なご滞在のために万全を期して取り組んで参ります。
 どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 
駐ギニア日本国特命全権大使
松原 英夫